カンナのコラム『クレイマー、クレイマー(1979)』
家族の形が今よりも少しだけ窮屈だった70年代の終わり頃の話。
母親としての役割に縛られ苦しんだ女は、自分らしく生きることを求めた。結果、子を置いて家を出た。
仕事に追われる日々を送っていた男は、突如として育児家事の全てを任された。結果、世界中の誰よりも子を愛する父親になった。
母親にべったりだった子は、突然父親との2人暮らしを強要された。
結果は、子自身しか知らない。
私の目には、最後には子は父親と暮らしたがっているように見えた。
女は「7歳の子には母親が必要」と言うが、6歳から7歳の1年半はとても大きい。1年半かけて子は、”父と2人暮らしの子”になったのだ。ならなければいけなかった。
もうそこに母親の存在はない。
母親は女になり、男は父親になった。
人は誰しも変化を求めるものだと思う。
変わりたいという思いは誰にも止められない。
自分が決めるしかないからこそ、その思いに責任を持つべきだと知った。

